東北角海岸風景特定区は台湾の東北の角に位置しています。山と海に挟まれ、入り江がくねくねと入り込んでいるため、めずらしい岩石もたくさん見られます。海食地形、さらさらとした砂でできた黄金色の砂浜、史跡や民族色、海洋生物の生態が豊かなだけでなく、自然生態の観察と観光レジャーにうってつけのところです。
海と山にはさまれた東北角海岸は、山脈が海岸に隣接していて、陸地と海岸からなります。陸地は阿玉粘板岩山地と三貂嶺山地を含む丘陵地です。主に和美山、福隆山、荖蘭山、桶盤掘尖山などの山がそびえています。
海岸は三貂嶺を境にして、三貂角から北は海岸線の変化が激しく、岬や岸壁、入り江などがあります。三貂角から南の海岸線は比較的平坦で、海食が進んだ台地や山地から形成されています。
南雅地区のほとんどは風化紋地形。鼻頭角は東北角海岸の地形地質の集大成ともいえるところで、いろいろな海食地形があちこちで見かけられます。海食が進んだ崖やへこんだ岩壁、台地の形はとくに美しく、鼻頭角の台地からは「茸状石」、「蜂の巣岩」、「豆腐岩」、化石などいろいろな形の岩群が眺められます。
鼻頭角の北側には鼻頭湾があり、南側には断層が陥没してできた龍洞湾があります。龍洞湾の南側には龍洞岬があり、そこには稜砂岩でできた岩壁がそりたっています。台湾の北部は岩質が固く、最も規模が大きい岩場です。莱莱、鶯歌石一帯は海食台形がいちばんよく発達しているところです。北関は東北角海岸で単斜脊地形がよく発達した地区で、壮麗でお行儀よく並んだ「豆腐岩」も見られます。
海底の地形は複雑で、海の景観も豊かです。南雅から鼻頭角にかけては、塊状の岩礁が不規則に並んでいます。海底は岩礁で埋め尽くされ、ハナガサ珊瑚はとくに有名です。鼻頭角から龍洞湾にかけては、色とりどりの珊瑚礁が密集しています。龍洞湾から和美までは大きな塊状の岩礁が連なっています。和美から澳底にかけての海底地形は変化に富み、海草や岩礁に住む魚、貝、ウニなどが多く生息しています。
福隆ビジターセンター
福隆海水浴場のそばに隣接する赤瓦と白壁の建物。ここが「東北角および宜蘭海岸国家風景区の福隆ビジターセンター」です。ここでは主に東北角海岸の自然生態、人文史蹟、旅行景観スポットなどに関する展示や解説をおこなっています。