猫鼻頭は恒春半島南東部の岬に位置し、台湾海峡とバシー海峡が交差する地点にあります。砂浜から約3.5キロの距離に位置し、典型的な珊瑚礁海岸の侵食地形で、空から眺めるとプリーツスカートのように見えることから「裙礁海岸」と呼ばれています。鵝鑾鼻と並び、台湾最南端の両端を形成しています。
長年にわたり波浪浸食や乾燥と湿潤の気候の繰り返し、塩や砂の結晶化などが行なわれてきたため、崩崖、洞窟、岩礁柱、層間洞窟などの奇景が生み出されました。地形学的にも教育、研究価値が高く、海や岩石を見るのに適した場所となっています。「猫鼻頭」いう名前は岩場の横にあるサンゴ礁が「しゃがんでいる猫」のように見えることにちなんでいます。
海藻の種類は非常に豊富で、冬は藻類の繁殖に適した時期です。海岸沿いのあちらこちらに繁茂した様々な種類の藻類が波に揺れる姿が見られます。透き通った青い海と色とりどりの熱帯魚、荒々しいサンゴの岩礁が相まって美しい景観を作り出しています。
猫鼻頭から後壁湖に向かう途中には「雷打岩」と呼ばれる巨大な崩落岩があり、近くの小さなビーチは貝殻採集にうってつけの場所で、また世界レベルの奇岩地形を見ることができます。猫鼻頭と後壁湖との間の海域は、墾丁国家公園の特別景観区に指定されています。
海の水は青く澄み、海面下には美しい景観が広がり、海底を覆う様々な石サンゴやソフトコーラルが海底を覆い、熱帯魚やアナゴ、エビ、貝類、海藻類など多種多様な海洋生物が生息しており、台湾沿岸部で最も数が多いと言っても過言ではなく、世界でも他に類を見ません。
近くにある後壁湖は墾丁国家公園最大の漁港で、四季折々に異なる魚が獲れます。夕暮れ時には地元の人や観光客がこぞって海産物を求める姿が見られ、とても賑やかです。