大安渓の北側に位置する火炎山は、樹木のない険しい景観で有名です。特に山頂の馬尾松林は台湾では珍しい森林相を呈しており、1986年に自然保護区に指定されました。
火炎山自然保護区は地質的には、新生代・第四紀に属しており、激しい地殻変動によって産まれたと想像されます。岩石層は主に小石の厚い層からなっており、その隙間を細かい砂の層が埋めており、結合力は強くありません。長期にわたる風化作用によって地層は細かく分解され、さらに雨水の侵食で割れた面が滑らかになりました。こうして鋭い峰がいくつもそびえ、深い谷には軟らかい栗石が敷き詰められるようになったのです。南から北を見ると、さらにその景観の雄大さがわかります。南側の急流には水がない時もあり、まるで栗石が流れているように見えます。谷から平野に向かって小石が扇状に堆積して、様子もみものです。黄昏時には、夕日で山が真っ赤に染まり、燃えているように見えるのでこの名があります。
火炎山は北東の季節風が弱まる3-4月、フィリピンで冬を越した灰面鷲が暖かい南西の気流に乗ってやってきます。ですから火炎山では灰面鷲が餌を探す様子を観察することができます。